令和5年度 宇陀市立病院 病院指標
年齢階級別退院患者数
年齢区分 | 0〜 | 10〜 | 20〜 | 30〜 | 40〜 | 50〜 | 60〜 | 70〜 | 80〜 | 90〜 |
患者数 | ー | 10 | 11 | 24 | 40 | 82 | 203 | 488 | 533 | 226 |
令和5年4月1日から令和6年3月31日までに当院を退院した患者で、一般病棟に1回以上入院していた患者について集計しています。
数値には、労災保険・自動車賠償責任保険・自費診療の患者は含まれておりません。また、24時間以内死亡患者や地域包括ケア病棟のみの入院患者も除外されています。
当院では地域柄、70歳以上の入院患者が77.0%を占め、昨年と比較して0.3%増えました。
30歳代から60歳代では、消化器系・外傷・椎間板ヘルニアなどの腰椎疾患が多く、70歳以上では、肺炎・誤嚥性肺炎・心不全・大腿骨や胸椎腰椎の骨折が多い疾患となっています。
集計に掲載されていませんが、眼科の白内障は地域包括ケア病棟にて水晶体再建術を年間135件行っています。
診断群分類別患者数及び診療科別主要手術別患者数では、上位5位までの患者数が10未満の診療科は、その診療科の表自体掲載していません。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
●内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
060100xx01xxxx | 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む)内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 | 93 | 1.98 | 2.61 | 0.00 | 71.27 | |
040081xx99x0xx | 小腸誤嚥性肺炎(手術なし)(手術・処置等2なし) | 61 | 37.95 | 20.60 | 9.84 | 85.13 | |
050130xx9900x0 | 心不全(手術なし)(手術・処置等1なし)(手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外) | 57 | 25.60 | 17.38 | 1.75 | 85.11 | |
110310xx99xxxx | 腎臓又は尿路の感染症(手術なし) | 46 | 26.87 | 13.52 | 8.70 | 82.17 | |
060102xx99xxxx | 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 (手術なし) | 35 | 2.57 | 7.58 | 0.00 | 67.26 |
DDPCコードは、入院全期間を通じて人的・物的医療資源を最も投入した病名と、行われた手術や処置または定義副傷病の有無により決定される14桁の診断群分類番号です。DPCコードごとに1日あたりの入院料が決められています。
当院の平均在院日数は入院から退院まで、一般病棟だけではなく地域包括ケア病棟の入院期間も含まれているため全国の平均在院日数より長くなっています。
転院率は、他病院へ転院した患者数を各DPCコードごとの全退院患者数で除しています。平均年齢は、入院時の年齢です。患者パスは、すべての診療科において公開しておりません。
「小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む)内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術」
大腸内視鏡検査を実施した際、ポリープを認めポリープ切除術・粘膜切除術を行います。出血の有無確認のため手術日翌日の退院になります。
「誤嚥性肺炎(手術なし)(手術・処置等2なし)」
加齢に伴い嚥下機能が低下することによる食物誤嚥で発症する肺炎です。当院の平均年齢は、85.13歳と高く、嚥下機能の強化のために「摂食機能療法」を行っています。一般病棟で急性期治療後、回復期にある患者様に対しては地域包括ケア病棟に転棟し在宅に向け嚥下機能訓練などの療養を行います。高齢者が多いため長期療養病床への転院率も高くなっています。一般病棟での平均在院日数は、24.1日です。早期に地域包括ケア病棟への転棟が図られたため昨年より一般病棟での平均在院日数が10日短縮されました。
「心不全(手術なし)(手術・処置等1なし)(手術・処置等2なし)」
心不全とは、心臓のポンプ機能が低下することで、血液の循環がうまくいかなくなり、様々な症状が現れる状態をいいます。心臓から出た血液は、動脈を通って全身に行き渡り、静脈を通って心臓に戻った後、肺に送り出され酸素が補給されて再び心臓に戻ってくるという流れで循環しています。心臓は血液をスムーズに巡回させるためのポンプ機能を担っています。そのため、何らかの原因でポンプ機能が低下し、血液の循環に悪影響を及ぼすと、呼吸困難や浮腫、含嗽、肝腫大などの症状が現れます。一般病棟の平均在院日数は、18.7日で平均年齢も85.11歳と高く入院を繰り返す傾向となっています。早期に地域包括ケア病棟への転棟が図られたため昨年より平均在院日数が5日短縮されました。
「腎臓又は尿路の感染症(手術なし)」
腎盂または腎実質の一般細菌、尿路系の細菌の感染症をいいます。急激に発症する高熱、排尿痛、頻尿、残尿感などの症状が出ます。一般治療法として、安静・保温・水分摂取し頻回に排尿させ、抗菌薬投与が行われます。
「穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患(手術なし)」
大腸内視鏡検査で発見される無症状の憩室症も多く、糞便が憩室内に停滞して急性憩室炎を発症すると、腹痛・下痢・発熱・下血などが起こります。
昨年度からの当院の取り組みとして、早期に地域包括ケア病棟への転棟を行っているため、一般病棟での平均在院日数も全国平均に近づく傾向となりました。
●整形外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
160800xx01xxxx | 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 | 56 | 50.23 | 25.50 | 3.57 | 86.23 | |
160610xx01xxxx | 四肢筋腱損傷 靱帯断裂形成手術等 | 40 | 35.98 | 15.58 | 0.00 | 66.15 | |
070343xx97x0xx | 脊柱管狭窄症(脊椎症を含む。)腰部骨盤、不安定椎 その他の手術あり 手術・処置等2なし | 38 | 18.32 | 15.66 | 0.00 | 71.74 | |
070350xx01xxxx | 椎間板変性、ヘルニア 内視鏡下椎間板摘出(切除)術 後方摘出術等 | 31 | 15.06 | 9.53 | 0.00 | 57.87 | |
160690xx99xxxx | 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。)手術なし | 20 | 47.10 | 19.34 | 10.00 | 83.05 |
「股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等」
転倒により受傷することが多く、大腿骨頚部骨折や大腿骨転子部骨折に対して、骨折観血的手術や人工骨頭挿入術を行います。急性期治療後、回復期にある患者様に対しては地域包括ケア病棟に転棟して、在宅に向けリハビリテーション療養を行います。平均年齢も86.23歳と高齢者の発症が多く、一般病棟の平均在院日数は、31.1日です。
「四肢筋腱損傷 靱帯断裂形成手術等」
転倒などの外傷による肩腱板断裂に対して、内視鏡下にて肩腱板断裂手術を行います。一般病棟にて急性期治療後、回復期にある患者様に対しては地域包括ケア病棟に転棟し在宅に向けリハビリテーション療養を行います。一般病棟の平均在院日数は、23.3日です。
「脊柱管狭窄(脊椎症含む。)腰部骨盤、不安定椎」
背骨には神経の通り道である脊柱管と呼ばれる孔があります。長い年月の間、体を支え続けていると背骨が変形し脊柱管が狭くなってきます。腰椎部で脊柱管が狭くなった状態を腰部脊柱管狭窄症と呼びます。腰部脊柱管狭窄症は50歳代から徐々に増えてきます。脊柱管が狭くなると、その中の神経が圧迫されて坐骨神経痛と呼ばれる下肢の神経痛や痺れ、麻痺(脱力)が生じます。他にも、股間のほてり、残尿感や便秘などの膀胱・直腸症状が発生します。これらの症状により、長距離を歩くことができなくなり、歩行と休息を繰り返す間欠跛行という状態になります。治療として症状が軽度な場合は、安静・薬剤投与・神経や硬膜外へのブロック注射、コルセット装着や牽引により症状が改善する場合がありますが、神経の麻痺症状が重篤な場合は、手術により神経の圧迫を取り除き症状の軽快をはかる必要があります。当院でも、椎弓という骨を切除して馬尾神経を圧迫している靱帯を取り除き、神経の除圧をはかる手術も多く実施しています。
「椎間板変性、ヘルニア 内視鏡的椎間板摘出(切除)術 後方摘出術」
椎間板は、背骨のクッションの役割をしています。変形(成長終了後に始まる老化)や酷使によって椎間板の外周の縁取りが痛むと、中心にあるやわらかい部分(髄核)繊維輪、脊椎の一部が外に飛び出した状態を椎間板ヘルニアといいます、このヘルニアが脊髄神経の枝を圧迫すると椎間板ヘルニア自体の痛みに加え、神経の痛みや麻痺、激しい下肢痛、膀胱障害などが生じることがあります。手術として内視鏡を用いて、前方から取り除く方法と後方から取り除く方法があり、当院では、後方からの摘出を多く実施しています。
「胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。)手術なし」
胸椎または腰椎の椎体部分に外から圧力がかかって起こる骨折をいいます。体を動かしたときに激しい腰の痛みが現れます。安静にしているときはそれほど痛みを感じないのが特徴です。骨粗鬆症の場合は、骨がもろくなっているため軽い力が加わっただけでも骨折してしまいます。尻もちをつく、転倒などの大きな衝撃が加わったときや、咳やくしゃみ、重いものを持ち上げたときなど、何気ない日常生活動作の中でも骨折が起こる場合もあります。
治療法として、コルセットで固定して、骨が固まるのを待ちながら痛みを緩和する保存療法と、保存療法では症状が緩和されなかったり、脊椎が変形したりした場合、手術療法を行います。
平均年齢も83.05歳と高齢者の発症が多く、一般病棟の平均在院日数は、20.7日です。
●泌尿器科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
110080xx991xxx | 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり | 20 | 2.95 | 2.44 | 0.00 | 75.30 | |
110200xx02xxxx | 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 | 16 | 10.25 | 7.75 | 0.00 | 74.19 | |
110070xx03x0xx | 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし | 11 | 17.64 | 6.85 | 0.00 | 77.82 | |
110080xx02xx0x | 前立腺の悪性腫瘍 精巣摘出術 定義副傷病なし | ー | ー | 5.95 | ー | ー | |
11013xxx04xxxx | 下部尿路疾患 膀胱結石、異物摘出術 経尿道的手術等 | ー | ー | 5.09 | ー | ー |
「前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり」
健診や血液検査で前立腺癌が疑われたときに、直腸から挿入した超音波鉗子で前立腺組織を採取し、顕微鏡で悪性組織の有無を調べるための入院です。前立腺癌確定のための必須検査になります。
「前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等」
前立腺肥大症に対して内視鏡的に行う経尿道的手術は、TUR-Pと称され前立腺手術の標準的な術式です。従来は、電気メスで前立腺組織を少しづつ削り取る手術方法でしたが、最近では接触式レーザー前立腺蒸散術(CVP)という前立腺組織に光ファイバーを接触させ組織中の水分、血液を一瞬で沸点に到達させることで組織を気化し消失させる手術方法も多く行っています。接触式レーザー前立腺蒸散術(CVP)は、従来の経尿道的前立腺手術と比較して、出血量も少なく手術を短時間で安全に行い、入院期間も短くなります。
「膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし」
浸潤性でない膀胱癌に対して、内視鏡的経尿道的手術を行い、悪性組織を取り除きます。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
初発 | 再発 | 病期分類基準(※) | 版数 | |||||
StageⅠ | StageⅡ | StageⅢ | StageⅣ | 不明 | ||||
胃癌 | − | − | − | − | − | − | 1 | 8 |
大腸癌 | − | − | − | − | − | − | 1 | 8 |
乳癌 | − | − | − | − | − | − | − | − |
肺癌 | − | − | − | − | − | − | 1 | 8 |
肝癌 | − | − | − | − | − | − | 1 | 8 |
現在、日本で最も多い5大癌の患者数をUICC病気分類の初発・再発別に集計しています。患者数は延べ人数ですが、すべて10症例未満ですのでー(ハイフン)となっています。
UICC病気分類とは、腫瘍の大きさ、リンパ節への転移の有無、多臓器への転移の有無の3つを基準を元にStageⅠ(初期)からStageⅣ(末期)の4つの病期に分類したものです。
成人市中肺炎の重症度別患者数等
患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | |
軽症 | − | − | − |
中等症 | 69 | 29.99 | 83.77 |
重症 | 10 | 26.70 | 82.80 |
超重症 | − | − | − |
不明 | − | − | − |
成人市中肺炎とは、15歳以上で病院外で日常生活を送っていた人が発症する肺炎のことをいいます。誤嚥性肺炎・ウィルス肺炎・インフルエンザ肺炎・COVID-19肺炎は除きます。
重症度は、日本呼吸器学会が定めた成人市中肺炎診療ガイドラインに基づき、年齢・脱水の有無・動脈血酸素飽和度濃度・意識障害の有無・収縮期血圧の5項目から基準に沿って集計しています。
当院では、2項目に該当する中等症の患者が最も多く、重症度が高くなると平均在院日数も長く平均年齢も高くなっています。
脳梗塞の患者数等
発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
3日以内 | 13 | 65.46 | 86.69 | 5.88 |
その他 | − | − | − | − |
脳梗塞治療では、迅速な治療が必要なため発症から「3日以内」「その他」で分類しています。
当院の脳梗塞患者の大部分が高齢者で、発症から3日以内であり急性期治療後も長期療養が必要な場合は、長期療養病床へ転院いだだく支援も行っています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
●内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2㎝未満) | 96 | 0.70 | 2.18 | 0.00 | 71.40 | |
K6532 | 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剝離術 | − | − | − | − | − | |
K654 | 内視鏡的消化管止血術 | − | − | − | − | − | |
K664 | 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) | − | − | − | − | − | |
K7212 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2㎝以上) | − | − | − | − | − |
- Kコード・名称は、厚生労働省による診療報酬点数表に記載のものです。
- 平均術前日数とは、入院から手術日までの平均日数です。平均術後日数とは、手術日から退院までの日数です。どちらにも手術日は含みません。
- 転院率とは、他病院へ転院した患者数を各手術ごとに全退院患者数で除したものです。
- 患者数が10未満は、-(ハイフン)としています。
- すべての診療科において患者パスは公開しておりません。
「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満)」
EMR(内視鏡下粘膜切除術)といい、粘膜下にボスミン添加ブドウ糖あるいは生理食塩水を注入してポリープを粘膜下層より浮き上がらせて切除する方法です。ポリープの大きさが長径2センチメートル未満のものがほとんどです。
●整形外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
K0461 | 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 | 51 | 3.47 | 48.45 | 3.92 | 81.49 | |
K080-41 | 関節鏡下肩腱板断裂手術(簡単なもの) | 43 | 1.14 | 35.12 | 0.00 | 65.84 | |
K1425 | 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)椎弓切除 | 42 | 1.45 | 16.43 | 0.00 | 71.64 | |
K0821 | 人工関節置換術(肩、股、膝) | 33 | 1.00 | 41.85 | 3.03 | 75.85 | |
K134-22 | 内視鏡下椎間板摘出術(切除)術 <後方摘出術> | 31 | 2.00 | 12.06 | 0.00 | 57.87 |
「骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿」
非観血的な方法でよい結果が出ない場合や、早期に離床させて関節運動を開始させたい時に、手術的に骨折部を開き骨折部分に対してスクリューやプレート、ピン、ワイヤーなどで固定する方法です。当院では、大腿骨、前腕、上腕骨、下腿の順に手術件数が多くなっています。
「関節鏡下肩腱板断裂手術(簡単なもの)」
肩腱板断裂(外傷性・非外傷性)に対して、関節鏡下に断裂した腱板端をスーチャーアンカー(縫合針の付いた釘固定具)を用いて骨に固定する方法です。周囲の健常な腱に縫い付ける場合もあります。5センチメートル未満の断裂の修復を「簡単なもの」といいます。
「脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む)椎弓切除」
脊柱管狭窄症や脊椎の疾患に対して、腰背中央に切開を加え棘突起をノミで縦に割り、椎弓を切除して馬尾神経を圧迫している靱帯を取り除き、神経の圧迫を取り除く(除圧)方法です。従来のように筋肉を棘突起という骨から剥がさずに骨自体を縦割し、椎弓までの筋肉を剥がし、椎弓の一部をドリルで削り神経を圧迫している肥厚した黄色靱帯や、増殖した骨を切除して神経の圧迫を取り除きます。縦割した棘突起は吸収して縫合し、元の状態に戻します。
「人工関節置換術(肩、股、膝)」
骨頭側だけではなく、関節窩側にも破壊・変形・癒着などがあり、動きが悪い・運動痛が強い・不安定で支持性が低いなどの障害があるときに、骨頭側と関節窩の両方を人工関節に入れ替え、関節機能の再建を図る方法です。当院では、膝関節・股関節の順に実施数が多くなっています。
「内視鏡下椎間板摘出(切除)術 <後方摘出術>」
全身麻酔下に約20mm弱の皮膚切開でチューブラーレトラクターと呼ばれる筒状の開創器を設置して、その中で内視鏡画像を見ながら骨を一部削り、脱出した椎間板を摘出します。またヘルニアのタイプによっては、局所麻酔下に、背中のやや外側に約8mmの切開を行いその中に内視鏡を挿入、直接脱出ヘルニアを観察しながら、摘出することも行っております。
●泌尿器科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
K841-21 | 経尿道的レーザー前立腺切除術・蒸散術(ホルミウムレーザー又は倍周波数レーザーを用いるもの) | 14 | 1.93 | 8.57 | 0.00 | 74.57 | |
K8036イ | 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術(電解質溶液利用のもの) | − | − | − | − | − | |
K7981 | 膀胱結石、異物摘出術 経尿道的手術 | − | − | − | − | − | |
K8036ロ | 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 その他のもの | − | − | − | − | − | |
K830 | 精巣摘出術 | − | − | − | − | − |
「前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等」
前立腺肥大症に対して内視鏡的に行う経尿道的前立腺手術はTUR-Pと称され前立腺手術の標準的な術式です。
従来は、電気メスで前立腺組織を少しづつ削り取る手術方法でしたが、当院では接触式レーザー前立腺蒸散術(CVP)という前立腺組織に光ファイバーを接触させ組織中の水分、血液を一瞬で沸点に到達させることで組織を気化し消失させる手術方法も行っています。
接触式レーザー前立腺蒸散術(CVP)は、従来の経尿道的前立腺手術と比較して、出血量も少なく手術を短時間で安全に行い、入院期間も短くなります。
出血の危険性が極めて少ないため、抗血栓治療薬を服用されている方でもお薬を中止することなく実施可能です。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | ー | ー |
異なる | ー | ー | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | ー | ー |
異なる | ー | ー | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | ー | ー |
異なる | ー | ー | ||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | ー | ー |
異なる | ー | ー |
- DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率です。
- 患者が10未満なので、表では-(ハイフン)としていますが、患者が0ではありません。
- 入院時からの入院契機病名と同じなので院内発生ではありませんが、院内感染を防止するため医師や看護師を中心に細心の注意をはらい治療を行っています。
しかし合併症の確率が0ではないので、できる限り合併症が発生しないように、医療安全対策委員会や院内感染対策委員会で検討し、全職員に研修を行い実践しています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが 「中」以上の手術を施行した退院患者数(分母) | 分母のうち、肺血栓塞栓症の予防対策が実施された患者数(分子) | リスクレベルが「中」以上の手術を 施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率 |
228 | 169 | 74.12% |
- 下肢手術(人工関節置換術、外傷など)、脊椎手術における静脈血栓塞栓症を予防するため、下肢弾性ストッキングを使用しています。
- 人工関節置換術では抗凝固薬の内服も併用します。
- 長期臥床がリスクとなるため、早期からリハビリを施行し、離床を図ることにも留意しています。
- また必要とされる症例では、術前や術後に下肢血管エコー(超音波)検査を施行して、血栓の有無を評価しています。
血液培養2セット実施率
血液培養オーダー日数(分母) | 血液培養オーダーが1日に2件以上ある日数(分子) | 血液培養2セット実施率 |
469 | 395 | 84.22% |
- 血液培養検査とは、血中に細菌や真菌が侵入していないか確認する検査です。
- 当院では、血液培養2セット実施を推奨しています。2セット実施をすることで血液培養検査の感度が上昇するため医師の診断の補助となります。
- ※令和5年度は、世界的な血液培養ボトルの供給不足によって84%となっていますが、例年95%以上の高い水準で運用しています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数(分母) | 分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者数(分子) | 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率 |
101 | 95 | 94.06% |
- 広域スペクトル抗菌剤は、幅広い菌に作用するお薬ですが、適切な使用をしなければ薬剤耐性菌出現の可能性があります。現在、世界保健機関や厚生労働省は広域スペクトル抗菌薬を適切に使用するよう勧告しています。
- 当院でも、広域スペクトル抗菌薬を適切に使用できるよう広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養検査を行い、高い水準で細菌培養検査を実施しています。
更新履歴
- 2024.10.1
医療の質向上に取組みとして「令和5年度 病院情報の公表」を掲載しました