「ウェルネスシティ宇陀市」構想
「健康」という言葉を耳にすると、どのようなことが思い浮かぶでしょうか。
病気やケガをせず健康習慣に気を配り、衣・食・住が整っていて、教育・所得・医療・介護の充実は、まさに「健康」を実現できる環境ではないでしょうか。
宇陀市では、市民のみなさまの「健康」を実現させるべく、さまざまな施策に取り組んできました。
しかし「健康」だけにとどまらず、宇陀市では新たに“Wellness(ウェルネス)”、つまり「健幸」の実現にも焦点をあてることとなりました。
「健幸」の実現は、身体の健康だけでなく、多方面の取り組みが必要であり、地域活性や家族・地域のつながりなど、安心から幸せ感につながるすべてのことが関係します。
「ウェルネスシティ宇陀市」構想は、市民の誰もが健康で幸せと思えるまちを表し、人々が身体面の健康だけでなく、生きがいを感じ、安心して豊かな生活を送れるまちをめざす」という考えのもと、策定されました。
地域包括ケアシステム
少子高齢化が急激に進展する現代。
今後は、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で、安心して自分らしい暮らしを続けられるよう、医療・介護・予防・住まい・ 生活支援が一体的に提供される「地域包括ケアシステム」の構築が必要となっています。
健幸都市「ウェルネスシティ宇陀市」構想でも、地域包括ケアシステムの構築は、6つある柱のうちの一つとして施策立てされています。
宇陀市地域包括ケアシステム全体構想では「6.地域包括ケアシステムの構築」に加えて、「3.介護予防と生きがいづくり」「4.歩きたくなる環境づくり、仕事が続けられる環境づくり」「5.ともに支えあう地域づくり」も包括し、「ウェルネスシティ宇陀市」構想が実現したまちづくりを目指します。
宇陀市立病院の役割
宇陀市立病院では、この構想の実現のため、地域包括ケアシステムの観点から、さまざまな取り組みを行なっています。
宇陀地域医療介入連携ICT「宇陀けあネット」
「入院前から退院まで途切れない患者さま支援」を目的に、宇陀地域医療介護情報連携システム「宇陀けあネット」が活用されています。
各サービスの連携不足を解消し、迅速な情報共有で、入退院支援・介護連携がスムーズに行えます。
さらに、周辺病院に患者さまの情報を共有することで、初診でも迅速に確実性の高い診断が可能になりました。
今後も、宇陀けあネットを活用して、地域全体で効率的に患者さまを支えていきます。
移動診療車
「うだモバイルクリニック(UMC)」
大宇陀地域など、人口減少や高齢化が進む地域では「医療の空白」が課題です。
そんな課題を解消するべく、移動診療車(UMC)が導入されました。
移動診療車では、医師らが診療車で出向いて、診察や検査に対応します。
超音波撮影装置や心電計といった機器を搭載しているので、遠くの病院へ行かずとも、高度な医療サービスが受けられます。
へき地も取り残すことなく、充実した医療サービスを多くの人に提供します。
在宅サービス
「在宅医療」を支援します。在宅で療養する患者さまの病状が急変した時や、精密検査が必要となった時など、必要に応じて入院などの医療サポートを行います。
東和医療圏内の中心的役割としての取り組み
東和医療圏内の中心的役割と
しての取り組み
宇陀市立病院では、地域包括ケアシステムにおける基幹病院としての役割も担っています。
急性期・回復期における質の高い医療を提供
【東部地域の中核的な二次医療機関として】
急性期病床の不足が予測されている東和医療圏ですが、その地域性から、引き続き急性期機能の役割が重要となります。
そこで当院では、「急性期病棟」「地域包括ケア病棟」をそれぞれ2病棟用意した病棟編成にし、急性期機能と回復期機能のバランスに配慮した病院運営を行っています。
●急性期…病気になり始めた頃・症状が現れる段階。
●急性期機能…急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、医療を提供する機能。
●回復期…急性期治療後の病状が安定しはじめた時期。発症・術後1~2か月後の状態。
●回復期機能…急性期を経過後の在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供する機能。
専門医療を提供
【地域公立病院として】
当院は、強みである整形外科を中心に、東和医療圏における専門医療を提供する役割を担っています。
他にも、奈良県肩関節センターや骨粗しょう症外来、ペースメーカー外来、腎臓外来、もの忘れ外来といった、さまざまな専門外来を幅広く展開しています。
郡輪番制における二次救急医療を担う
【数急告示病院として】
当院は、東部地域で唯一の救急告示病院であり、主に一次救急から二次救急への対応が求められています。
そのため、東部地域での病院群輪番制において、二次救急医療を担う一定水準の医療提供体制の構築し、その役割を果たします。
※一次救急…地域病院や診療所などかかりつけ医。自力で来院するのが一般的。
二次救急…入院機能のある地域の中核病院。紹介・搬送で来院するのが一般的。
病院群輪番制…「搬送や診療所などから転送される重症患者に対応する医療機関」を整備する制度。
東和医療圏地域への医療支援
【へき地医療拠点病応として】
曽爾村、御杖村、東吉野村などへ、診療所支援や医療提供を行っています。
医師派遣や移動診療車の運用で、市内だけでなく周辺地域にお住まいの方にも、充実の医療サービスを届けます。
市民の健康・医療に対する意識啓発
【地域公立病院として】
当院では、さまざまな健診や人間ドッグを展開しています。医療提供だけでなく、健康・医療への意識を啓発し、地域全体の予防医療に貢献し、みなさまの健康な生活維持に寄与します。