DMATについて
近年、地震や台風などの「災害」に関する報道を目にすることが多くなりました。災害時には、自衛隊・消防・警察・行政機関などと共に「医療」への対応も迫られます。DMATは、大震災・風・水害などの自然災害や航空機の事故、列車の脱線事故、テロ現場など多くのケガ人の発生が予測される場合に派遣されます。被災地が離れている場合においても、出動要請があれば発災直後から現場へ向かうことも多くあります。被災地にてひとつでも多くの命を救えるよう、訓練や研修、会議などを行い、県内外を問わず各関係機関との医療連携が行えるようにしています。また、災害派遣時の活動をフィードバックし、改善を続けていくことで災害医療の精度を高めています。
DMATとは
「災害急性期に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医療チーム」と定義されており、災害派遣医療チームDisaster Medical Assistance Teamの頭文字を取り、DMATと呼ばれています。
当院においては、平成28年秋よりDMATが発足し、現在は医師3名・看護師3名が隊員として活動しています。月に1度「定例会」を開催し、訓練や研修会などの情報共有を行ったり、「企画部会」に参加することによって、県内の他の医療機関と情報共有・連携を行ったりしています。また「県防災総合訓練」や「近畿地方DMATブロック訓練」、「衛星電話訓練」など被災地を想定した訓練へ参加することによって、実際に派遣された場合においても円滑に活動を行えるよう平時から準備を整えています。
活動実績
令和6年能登半島地震を受け、1月10日から14日までの5日間、宇陀市立病院の医師2名・看護師3名で組織する宇陀市立病院DMATを石川県金沢市内の県立中央病院に派遣しました。
県立中央病院においては病院指揮所に配属され、MCC業務支援を行いました。
当院DMATが行った業務は以下の通りです。
・病院指揮所としての業務
当院は公立能登総合病院、珠洲市総合病院、公立宇出津総合病院の病院避難及び高齢者施設の避難に際し、患者さま・避難者の集積、トリアージ、転院先の選定(他病院、待機ステーション、1.5次避難所)を行いました。
病院避難や高齢者施設の避難とは、被災をした医療機関等から被災をしていない医療機関等に転院搬送を行うというものです。医療機関から医療機関へ搬送する間に石川県立中央病院を中継し、診察や治療を行っていました。
・MCC業務
MCCとはMedical Check Center(メディカルチェックセンター)の頭文字を取った組織の名称であり、搬送されてきた被災者の状況等を判断し、重症度に応じた医療処置と転院先の決定を行いました。